2022/07/21

執筆者:管理者

【平日えんちゃん奮闘記②】 

※2022年7月から東京裏山ベースの平日担当として店に立つことになった「えんちゃん」の奮闘記を不定期更新でお送りします。


なぜ還暦を過ぎたおじさんが「裏山ベース」で働くことになったのか、ご説明したい。

 30年余り勤めた新聞社を昨年5月に退社し、あきる野市に移り住んだ。新しい挑戦をしようと仕事を探したが、なかなか納得のいく働き方が見つからない。そこで昨年末ごろから自分でカフェやバーをやろうと考え始めた。調理経験はないが、勤務した各地で飲み歩いたので、いい酒やつまみは知っているつもりだ。 秋川駅や武蔵五日市駅周辺で空き物件を探したが、一人でやるような小さな物件は見つからなかった。

 「希望エリアを自分の足で歩いてみるといい」とある不動産屋さんに勧められた。入居者募集中の公開情報のほかにも、活用できそうな場所が見つかるかもしれない、とのことだった。

 雰囲気が気に入っていた五日市駅周辺を2月から5月にかけて何度か歩いた。以前飲食店だった建物を見つけ、関係者に尋ねると、別の用途に使っていて貸せる状態ではないと言われた。途方に暮れながら、ひと休みしようと東京裏山ベースに入った。若い女性スタッフ(ナッキー)が一人で飲み物を作ったり、自転車を貸し出したりしていた。私が「生ビールや食事を出せばいいのに」というと、ナッキーは「以前は本格的なカレーを出してたんですよ。業務委託で」と教えてくれた。

 そのまま聞き流してその日は自宅に帰った。数日後にある考えが浮かんだ。「クローズしている平日の運営を私に任せてもらえないだろうか」。6月まで裏山ベースは土日中心の営業だった。平日ならベースの事業に支障はないだろうし、可能性があるのではないか、勝手に考えた。 次の土曜日、再びベースを訪ね、若い男性スタッフ(ハヤトン)に「オーナーにお話ししたいことがあるので、連絡を取ってほしい」と頼んだ。お会いする日程だけでも決められればと思っていたが、ハヤトンがオーナーに電話すると、「ちょうど今から店に戻る」と話しているという。

 店に現れたオーナーのジンケンさんは、私の突然の提案にやや戸惑った表情を見せながら「コロナの影響も残り、平日営業については慎重に検討したい」と判断を留保した。

 見ず知らずの者がいきなり「ここで仕事をさせて」というのは唐突だし、雰囲気を変えられるのではと警戒されるのは当然だろうな−−−−。話した感触から、提案の実現は難しいだろうな、と悲観的に受け止めてベースをあとにした。

 数日後、ジンケンさんから「もう一度、話を聞いてみたい」と電話があった。私は志望に至った経緯と、裏山ベースのコンセプトは守るとする文書をまとめ、再度、ジンケンさんにプレゼンした。こうして平日の業務委託契約がまとまったのである。

 私の提案が受け入れられ、うれしかった。お酒の種類を増やし、おつまみも出そう。7月の平日営業開始に向け、頭の中で構想はどんどん膨らんでいった。 しかし私が用意したワインやソーセージ、チーズ、地元産トウモロコシなどの平日限定メニューは、注文が少ないのが現状だ。土日と同様、カフェメニューの提供と自転車レンタルなどの対応に当たっている。

 一方で、「お昼ごはん食べられる?」と、お店のドアを開けてのぞき込む人も少なくない。休みの日に料理教室に通い始め、近くお昼ごはんを提供したいと準備している。お酒ももう少し飲んでもらえる仕掛けも考えたい。 今年の夏は長くなりそうだ。焦らず前を向いていこう。